2017年5月30日火曜日

新穂高温泉から高天原往復


 今回の計画は、雪が多いという事でスキーを楽しみながら高天原の温泉に入ることを目的に計画した。結果は、予定通りの好天に恵まれたものの連日の無風快晴の天気に苦しめられ、体力の無さを痛感し、温泉に入る気力も維持できなかった。雪の状態は、GWを過ぎた時期にもかかわらずデブリ等も少なく滑りやすい斜面が残されていた。
2017/05/19(金)快晴
 朝4時に自宅を出発して新穂高温泉登山者用無料駐車場8:30到着。



タイム;新穂高温泉9:10→10:36ワサビ平小屋→12:00秩父沢シール登行→
          14:20鏡平分岐→16:53大ノマ乗越17:10→17:35双六谷(泊)

 新穂高からスキーを担ぎ長い林道を登り始める。ワサビ平から少し登ってシール登行に入り、荷物が軽くなるかなと思ったが、今度は快晴無風の雪の上に立たされる。
 我慢の登りが続きずいぶん登ったなあと思ったらまだ鏡平への分岐、さらに大ノマ乗越までは青息吐息10歩 歩いては休みしながらやっと到着する。
 今日の予定の双六には到底届かないので双六谷まで滑り降りて安全な場所を選んで天幕を張る。幸い近くに水流が出ている箇所があったので助かった。

 

 


2017/05/20(土)快晴
タイム;双六谷6:50→8:48双六小屋9:00→13:30三俣蓮華岳→14:06三俣山荘
    →16:26岩苔乗越→18:40高天原山荘
朝5時起床 雪面が固いうちはスキーを担いで登り、その後シール歩行に切り替える。
双六小屋
二股を過ぎ傾斜が緩くなってきてから小屋までが長く感じた。

黒部五郎岳カール

槍ヶ岳・北鎌尾根
 双六小屋から高度を上げずトラバースに入る。夏道より少し下を行くが、中間あたりにある尾根の部分が悪く見えたのでトラバースを諦めて稜線に上がる。稜線上は雪が腐り歩きにくい。三俣蓮華岳の登りは雪が解けて夏道が出ていた。
三俣蓮華岳
頂上から三俣山荘まで広い斜面を楽しむ。しかし14時を周っていたので、この先進むか?迷う。黒部源流に下り、岩苔乗越に登り岩苔小谷を下る。高天原までは距離がある。体力の消耗が激しいので不安だったが突っ込むことにする。黒部源流までなるべく高度を下げないで 登りに入れるように滑り降りる。谷底から乗越までの登りには2時間弱かかってしまい16:30になってしまう。
乗越の雪庇の切れた所から滑りこみ傾斜が緩くなった小谷を下りて行く。所々デブリはあるが雪塊が小さいので上を滑って行ける。

 谷が狭くなってくると樹林帯となり、左岸から高天原のある右岸に移らないとならないが、水流が現れて両岸の雪がおおいかぶさるようになっているので、なかなか渡れる場所が見つからない。とうとう夏道の所まで来て、なんとか渡渉出来そうな所を見つける。スキーを対岸に先に投げ、一歩だけ水につけて対岸に渡る。
 そこから高天原山荘までは樹林帯の中を彷徨い、GPSをたよりに何とか小屋にたどり着いた。夏に来た時の印象は全くなく樹林に埋もれるように小屋は立っていた。
温泉に入ろうを思ってきたがその余裕は無く、食事もとれずにそのまま寝てしまった。
2017/05/21(日)快晴
タイム;高天原山荘6:45→8:15水晶池8:45→12:17岩苔乗越→13:00黒部源流
    祖父岳分岐→14:06三俣山荘
昨晩悩んだのが、今日の登り返しルート、昨日の渡渉は逆からだと難しいが、右岸沿いに登って行ってスノーブリッジがあるか?が怪しい。安全第一を考えれば夏道がある水晶池経由で登るしかない。記録によるとかなり苦労するらしいが安全には代えられないので選択する。
 GPSで夏道を追いながら、開けた所を選んで登って行く。水晶池までそれほど苦労しないで辿りつけた。

 水晶池から岩苔小谷の開けた谷にでると、また暑さとの戦いになり体力を奪われる。乗越最後の急斜面を登り、コルの雪庇部分を避けてコルに這い上がる。
 コルから広い斜面を快適に下るが、登りに比べてあっけなく終わってしまう。再び三俣山荘への登りは暑さとの戦いとなる。昨日の夜は何も食べられなかったので、今日は三俣山荘泊まりと決める。山荘に着くと東側に土の出ている所があったので、荷物を広げハイ松の陰に潜り込み体力の回復を図る。

2017/05/22(月)快晴後☁
 タイム;三俣山荘6:40→7:45三俣蓮華肩→10:48双六山荘11:20→
    11:45大ノマ乗越下12:00→13:58大ノマ乗越14:10→
    15:45奥丸山分岐→16:10ワサビ平小屋→17:20新穂高温泉

三俣蓮華岳肩から槍ヶ岳
最終日、今日も快晴の空が広がる。 今日の行程で気になる所は、一昨日尾根を捲くところに急斜面があり危ないと思い稜線に登ってしまった箇所だ。稜線の登り下りを考えると体力的にも厳しいので、何とかトラバースで行きたい。
 三俣蓮華の肩まで登りルートを検討、問題の個所まではトレースらしきものがあり人が通っていると思われるのでトラバースルートに決める。

三俣蓮華肩から岩苔乗越
三俣蓮華の南に広がる広いカールをトラバースで進み、大きく高度を下げないように問題の個所に到着する。リッジに上がると反対側にはハイ松帯があり、しばらく空身で上り下りをしながらルートを検討する。
 ハイ松帯をスキーを背負って横切り反対側のルンゼ状になった雪面を下り反対側のカールに降りる。再び広いカールのトラバースになる。

 
三俣蓮華肩から鷲羽岳
所々ハイ松で雪の斜面が途切れてルーファイに悩み、 結局少し下りすぎて双六小屋まで50m位の登りが入ってしまった。 またまたバテてしまう。

 やっとたどり着いた双六小屋から滑りだそうとしたときにトラブル発生。ヒールを固定するラッチハンドルが折れてしまい、かかとの固定が出来なくなる。解決方法も考え付かず、力ずくで何とかするしかない。短くなったハンドルをつかみ何回か目でやっと固定することが出来た。あと1回大ノマ乗越で同じことをすることになるが、最後で助かった。
 大ノマ乗越の下までは雨でできた溝が出来ているが、下りは何と言っても楽なので助かる。というか、次に待っている地獄の登りを考えなければ楽しい。
 初日に泊まった場所から今回最後の登りに入る。雪も比較的固いのでスキーを背負って登ることにする。急な斜面をを直登していく。登りだす頃から雲が少し発生して太陽を隠してくれているのが救いだ。350m位の登りに2時間もかかってしまった。

 やっと登りから解放され残すは、広い斜面の滑降といやなのは林道歩かな? コルに着いた頃から太陽が隠れ涼しくなってきたのは良いが、槍方面で雷が鳴り始める。大ノマ乗越の斜面から小池新道の斜面は 広すぎるほど広く、なるべく疲れないように大きく斜面を使って降りて行く。
 調子に乗りつい下りすぎて、気付いたときには下をむいて生えた灌木の中に突入してしまった。右側を大きく巻いていけば雪通しに進めたものを、藪の中をスキーを引っ張りながら灌木の中を右往左往してしまった。ここで大分時間をロスしてしまう。

 帰りは温泉に寄って行こうとしたが、いつもの沢渡の橋のたもとも、新島々近くの温泉もお休みという事で、仕方なく中央道の諏訪湖SCにある温泉で汗を流し帰った。



0 件のコメント:

コメントを投稿