2012年2月26日日曜日

荒船山艫岩昇天の氷柱

                                                             
                                                           2012年2月26日(日)  

                                                           
                                         
堀口(記)、平石、吉岡、         
天気:曇り
内山峠発7時。取り付き着9時15分。スタート9時40分。3P目スタート11:00。4P目スタート12:10。終了点13時15分。山荘発14時。内山峠着15時15分。
今回で何回目だろう。3回目?それとも4回目?確実に敗退の記憶があるのが2回。それじゃあ3度目の正直って事で…。
 それにしても、毎回氷の状況は違うもんですね。特に1P目。お初の時は、丁度上部2/3あたりの緩傾斜部分が岩の凹角状のテラスになっていて、確かリングボルトもあってそこから上は氷がなくで、仕方なくそこでピッチを切った記憶がある。通常右側のツララ状バーチカル部分と言われている辺りも泥壁で、木の根にスリング巻きつけて2~3手の人口を駆使して抜けたのだった。その時も確か3ピッチ目を見上げただけで、どこ登れば良いんだろう?って感じで降りたんだったなぁ。
 前回(もう6年も前でしたか)は、先ほどの部分がツララ状になっていて(って言うか、この部分以外は岩でした)そこを乗越したのだった。今回と言えば、右側のツララ部分はスカスカだったが、あべこべにいつもは岩肌が出ていた左側にべっとり氷が貼り付いていたのでかなり楽に抜けられちゃったって感じだった。

 




















2P目。何となくボリューム感に欠けている感じだ。出だしがどうにも登りにくい。片足岩に引っ掛けつつ左手のアックスで上の方の厚そうな氷をまさぐりながら、そろりそろりと上がっていく。大分ランナウトしたのでそろそろスクリューでもと思ってふと右側を見上げると木の根っこ。省エネを決め込む。さらに傾斜のない易しい階段状を上がっていくと目の前にアバラコフ。残置スリングのおまけ付きだったので、ここも省エネ。終了点にもアバラコフ。と言うことでスクリュー2本とアバラコフでビレー。

 

3p目。核心部分に入ったので、リードを若手の平石君に譲る。狭い急峻なルンゼ(広過ぎるチムニーといった表現でも間違えじゃないかな?)は。今回下部は左側が岩が出ている。右半分は氷がしっかり付いていた。何パーティーもの訪問を受けたのであろう、表面はかなり凸凹している。今回は行けると確信した。ここの所登りこんでいる平石君は危なげなく着実に登って行く。むしろわざとスリルを味わっているかのようだ。あっという間にテラス着。フォローのロートル組はえっちらおっちら、スクリューの回収に息を切らせながら登って行く。ビレーの平石君から「この上は、岩登りだぁ!」のコールに、“敗退”の二文字が頭をよぎった。
 














4P目。確かに、どこ登りゃいいんだろうって感じの氷の付き具合。見上げるお椀の下は右壁にかろうじて氷が貼り付いているだけ。あまり強く打ちこんだり蹴込んだりすると、バラバラに散りそうな感じだ。お椀だって誰かの時には乗ったら崩れるんだろうな。まるでロシアンルーレットじゃん。そもそもどこにもスクリューねじ込めそうにないじゃん。ってなことで、ブツブツ言っていると「とりあえず行ってみます」の声とともにさっさとアックス振っている平石君が頼もしい。よく見れば、残置ハーケン、ボルトがあるようだ。お椀の下を微妙なバランスで抜け、一段上がると「ハンガーだー!」の歓声。それから先はぐっとスピードが速まり、「解除」のコール。やっと宿題が片付いたのでした。


 登攀終了後ふと見れば、立派な山小屋兼東屋が目の前にあったので、迷わずそこで休憩&食事&ガチャ整理。展望台から眺めた風景、また下山途中で見た霧氷がとても綺麗だった。時間も早かったし、気分もよかったので、帰りは「荒船の湯」で十分暖まって、渋滞の待つ関越に向けてひた走り。
追伸
前日自宅にて炬燵であぐらをかいて山岳保険更新等の書類作成などしつつ、ちょこって感じで立ち上がろうとした際に、瞬間的に右足がキョン状態になりボキッという鈍い音がした。と同時に膝に鈍痛が。
慌ててそーっと手で膝を曲げ伸ばしして元の状態に戻したのでした。おー危ねえってことで、即ドラッグストアーまで飛んで行って、いつもは買わないボルタレン買ってきてベタ塗りしました。取り付き敗退どころか、行かずに敗退か?でも今年はチャンスらしいし、とりあえず取り付きまでは行ってみようと思い、屈伸が出来ない状態でしたが、なんとか取り付きまでは行けたので、ついつい欲が出てダマしダマし行っちゃいました。でも登っているときは蹴込んでも全く問題なかったし、痛くもなんともなかった。ただ、内山峠までの下りは大分厳しいって感じだった。

2012年2月20日月曜日

上越 阿寺山

                                                               
                                                           2012年2月20日(月)  

                                                           
                                          吉岡(記)、牧野           

いつも見ているブログ「山登りのページ」に出ていたので行って見ました。高速を走っている間は曇りながら、周りに見える雪は腐っていて先が思いやられる。
広堀橋の除雪終了点に駐車して、8:00出発。登りだすと雪が舞い始める。林道を脛ラッセルで尾根の取り付きまで約1時間かかる。

 
取り付きを間違えたのかいきなりひざラッセルの急登で始まる。
あまり冷え込んでいないので、汗をかきながら登るが、さらに青空が見え始めると春山の雰囲気になってきた。

 


    

登るにつれだんだん雪が重くなり、八海山方面から雪崩の音も聞こえてくる。

制限時間を13:00と決め頑張ったが、最後急斜面をツボ足になり胸ラッセルで越えたところで時間切れとなる。まだ標高は900m、頂上までまだ600mも残してしまった。

    

滑りは、ズブズブと雪を押し分けるような音が聞こえるような下りだった。
なるべく木の少ない斜面を選んで下って行く。傾斜はあるが、雪が重いのでスピードが出ないので気が楽である。尾根筋から脇の斜面に入ると快適な滑りになって楽しめた。


駐車場から見た阿寺山の尾根
真ん中あたまでしか登れませんでした。

帰りは温泉でしょうと六日町温泉に向かったが、高級料亭とホテルの高い温泉しか見つからなかったので、下道を湯沢まで行き、「駒子の湯」に入る。

高速は渋滞もなく都内に入ってもスイスイで2時間40分で帰宅した。
やはり、平日山行は良いですね

2012年2月12日日曜日

東北 後生掛温泉と八幡平

                                                               
                                                           2012年2月12~13日  

                                                           
                                        スキー組=吉岡、柳沢、高橋、
                                湯治組=大木場、千貝OB
           

2012年2月12日

 11日22:30清瀬の柳沢宅に集合し、東北道をひたすら北上する。北上ジャンクションから秋田道に入ると吹雪となり、夜の雪道を慎重に進み13日7:00頃秋田南ICに到着、朝まだ早いので大衆食堂「半田屋」で朝食をとり、千貝邸に向かう。

 到着が早かったので寝てるところを起こしてしまったようで、申し訳ない。お茶を飲みながらしばらく歓談していたが、疲れているだろうと布団をしいてもらい、お言葉に甘えて寝かせてもらう。予定していた雪下ろしは、きれいに除雪されていて出番を失う。

 昼寝から覚めて、後生掛での自炊材料の仕入れに「ジェイ・マルエー」というスーパーに買い出し行き、帰りに高橋さんのたっての希望で北上川下降にある雪捨て場を見学して戻る。

 夜は千貝さんの奥さんの手料理、秋田でしか食べられない(多分千貝邸でしか味わえない)いろいろな料理とお酒で、遅くまで騒いでいた。高橋節が爆発したのは言うまでもない。ちなみに、料理はメインが「しょっつる鍋」さっぱりしたつゆに魚と山菜と野菜がたっぷり入って お酒が進む。

2012年2月13日

 朝ゆっくり起きて 奥様の朝ごはんをいただく。昨年とって保存していた山菜が入った味噌汁、キャビア?納豆、おいしく炊き上がった”おにぎり”を腹一杯食べさせてもらう。

 8時半頃?車2台で秋田を出発。田沢湖方面からのアクセスは、玉川温泉付近で交通止めとなっているので 一旦北上して比内地鶏で有名な比内を経由して、鹿角八幡平から後生掛温泉に入る。

湯治宿の個室2部屋(4畳半に2名、6畳に3名)に案内される。


予定より後生掛温泉に入るのに時間がかかり、到着は12;30頃になっていた。早速宅急便で送ってあったスキーを受け取り、14:00頃国見岳へ向かう。宿の裏の急斜面をツボ足で股までのラッセルをして一段上がり、シール登行に切り替える。


 

緩い登り下りがある、平坦なブナ林をどこまでもラッセルして行く。
1時間ほど頑張るとやっと国見岳の登りにかかる。出発が遅かったのですでに夕方の雰囲気になってきたが、青空ものぞく明るい空だったので登り続ける。


 
   

国見岳を捲いて焼山へ向かうところで時間切れとなる。

 
 
 



登っている時は重く感じていた雪だったが、滑ってみると良く滑り気持ちが良い。国見岳の下りはあっという間に終わり、平坦地を温泉の上まで頑張り、最後の急斜面を滑り降りて宿に到着する。

何はともあれ温泉、真っ暗な湯船に湯気が上がり湯治にきた雰囲気満点 貸切で暖まり、夕食になる。



夜は、きりたんぽ鍋。千貝さんの奥様が用意してくれたスープに、鶏肉、各種野菜、きりたんぽをいれて かんぱ~い!!

2012年2月14日
 8時頃温泉を後にして 八幡平に向かう。車道を少し戻り、アスピーテラインの除雪の行き止まりの雪壁を越えて、シール登行に入る。一か所ショートカットしたが、アスピーテラインをたどって行くと上から除雪車が降りてくる。膝くらいまでのラッセルだったが、除雪車は腰あたりまで潜りながら進んできた。


  

「蒸けの湯」上の休憩場から再びラッセルが始まる。
もうもうと湯気を上げる温泉の源泉から少し登った所から、ピンクの目印に従って疎林帯に入る。急な登りがしばらく続くが、すぐに傾斜は緩くなり、登るにつれて周りの樹氷がモンスターのように大きなものになってくる。樹氷が混んでいる所はルート選択に迷ってしまう。雪は何となく重く感じ、帰りが心配になってくる。

  

空は青空が見えて、樹氷がどこまでも広がり東北の雪山に来た!という感激が湧いてくる。とはいえ、単調な登りで飽きてくるが、こんな天気に恵まれることはめったにないこと と聞いているので14:00までは頑張ろうと先に進む。



 


頂上らしき所に着いたが標識もなく前を見ると、はるか先にほんの少し高いと思われる場所がある。右寄りになるべく高度を下げないように回り込むようにして進む。
やっと頂上に到着、「八幡平 頂上」の柱が立っている。その脇には台座の様なものが頭だけのぞかせていた。




 

下りはシールを付けたまま、偽頂上?まで行ってから、滑降に入る。傾斜はないが登りで感じていたほど(下りラッセルかと思っていた)ではなく、良く滑る。樹氷の中の狭いところは斜面が良く見えないので、樹氷に衝突したり、登り斜面に突っ込んだりと、いろいろありましたが 満足できる滑降でした。

楽し~い斜面の連続に、毎年温泉とスキーを楽しみたいと思いました。